オイラのMONACOにはパワーシートが付いている。
座面の前/後移動、前端上げ/下げ、後端上げ/下げ
のアメ車では一般的な3WAYのパワーシートなのだが、後端上げ/下げだけがスイッチを倒しても動かない。
正確にはスイッチを後端上げ側に倒すとモータが「ガツッ」と言うが、シートは動かない。
スイッチを後端下げ側に倒すとウンともスンとも言わない。
クルマを買った時から、こうなんだけど、特に不自由は無かったので、ほったらかしにしてたけど、ここらで直してみようかな。
モータが「ガツッ」ってなるって事は、モーターは大丈夫そうだから、悪いのはスイッチだろう。
って事で、とりあえずスイッチを外してチェックしてみるか。
パワーシートのスイッチ。
汚れ具合からして、新車時から1回も外した事が無いって感じ。
なんか、形も配線コネクタの造りもGM車のパワーシートのスイッチと良く似てるなぁ。
外したスイッチ本体。
35年も経ってるがクロームは綺麗だしプラのスイッチに割れもない。まだまだ使えそうな感じ。
スイッチ本体の裏側。
剣山みたいに見えるピンが配線のコネクタに刺さる端子。
ココから先はスイッチそのもののバラし。
サービスマニュアルにもバラし方は載ってないので現物を見ながら臨機応変に行こう。
先ずはピン間をつないでいる+12V供給用の金属板をドライバーでコジって外す。
次に絶縁フィルムを外す。
さすがに絶縁フィルムは硬化していて、パリパリ感いっぱい。
無理に曲げたら粉々になりそうなので、割らないように気をつけながら外す。
絶縁フィルムを外すとアース用の金属板が現れる。
アース用の金属板もドライバーでコジって外す。
ここまでバラすと、パワーシートのスイッチが3個の独立したスイッチだって事がわかった。
問題の後端上げ/下げスイッチをケースから抜く。
スイッチのリテーナのツメがケースの穴にハマっているので、ツメをドラーバーで押しながらスイッチ本体を押し込むと、後ろ側に抜ける。
スイッチのリテーナを外すとスイッチのケースがふたつに割れる。
ふふ~ん、スイッチの中はこんな構造になってるんだ。
パワーウィンドウのスイッチと同じかと思っていたけど、チョット違うなぁ。
これが後端を下げる時に+12Vが掛かる電極。焼けて真っ黒。
これじゃぁ、電気が流れないとしたもんだよ。シートが動かなかった原因はコレだね。
とりあえず焼けた電極はペーパーで磨いて再生。
でもモーター用のスイッチはどうしてもアークが飛ぶから、きっとまた電極が焼けるな。
パワーウィンドウと同じようにリレーを噛まさないとダメかな。
スイッチのレバー。
レバーの根っこにはバネ仕掛けの電極を押すカムが付いていた。
カムは、古いグリスを拭ってからシリコングリスを塗布して組込む。
スイッチを組立てたら、テスターを使ってスイッチ単体でチェック。
スイッチを倒すとチャント導通する。ヨシヨシ。
せっかくここまでバラしたので、他のスイッチも確認しておこう。
これは座面の前/後移動のスイッチ。
座面の前/後移動のスイッチは座面全体の上下動のスイッチも兼ねているので十字に動く仕組みになってる。
掃除してシリコングリスを塗布して組直し。
スイッチの清掃が終わったら、スイッチ全体を元の状態に組直し。
スイッチに配線のコネクタを挿して、仮組み状態で動作チェック。
問題のスイッチを入れると・・・「ウィ~ン」おっ、座面の後端が動いてる。
チャント座面の後端の上げ/下げができるようになったぞ!
カバー類をきちんと元通りに組んで作業完了。
座面の後端の上げ/下げができるようになったので、シートポジションの調節範囲がすごく広がった。やっぱり動くべき物が動くってイイね。
作業時間は1.5時間。
2011.04.17