「FILE#112 足りない?」でキックダウンのスプリングを取り付けたときに、クルコン(クルーズ・コントロール)のワイヤーを外したままにしていた事に気付いてしまった。
「FILE#061 円高~、ポチッ。」でキャブを交換した時に、クルコン用のケーブルだけはつながなかったんだよね~。
ちなみにオイラのMONACOに付いているクルコンは当時のファクトリー・オプション。
1974年(昭和49年)当時の日本車には、クルコンなんてオプションでも無かった時代じゃないかな。
パワステやパワーウィンドウと一緒で、楽チン装備はアメリカ車が一番早いね。
スイッチもウィンカーレバー兼用だし、操作方法を含めて現代車と変わらない。
オーナーズ・マニュアルを読むと 30mph 以上ならクルコンが利くらしい。
でもね、実はワイヤーを外す前にはクルコンを1回も使った事が無いんだな。
やっぱり30年以上も前のコノ手の装備が、今もまともに動くとは思っていなかったから。
だけど、もしかして、ひょっとしたら、まぐれで動くかも知れない。
あ~、なんか一度気になると、無性に気になってしまう。
ヨシ、とりあえず動くかどうか試してみるとするか。
先ずは、宙ぶらりんになってるクルコン用のケーブルをキャブのスロットルレバーにつなげなきゃ。
そのために、前に外したキャブに付いてるクルコンのケーブル用のレバーを拝借。
矢印の部品がクルコン・ケーブル接続用のレバー。
Cピンが圧入されていて移植が面倒くさそうだったから、キャブ交換の時に放置していたんだっけ。
さて、どうやってCピンを抜こうかね。
Cピンが少しでも飛び出ていればラジペンで鋏んで引き抜くのだけど、残念ながら、このCピンには鋏める所が無い。
なのでCピンと同径のボルトを当てがい、反対側にCピンより大径のナットを受けにして、押出すようにウォーターポンプ・プライヤーでエイッ。
はい、外れました。
これを、今のキャブに移植する。
キャブのスロットルレバーにあるクルコン・レバーの取付け穴に合わせて、Cピンを入れて・・・
Cピンをウォーターポンプ・プライヤーで鋏んで圧入。
クルコン・ケーブルをレバーから出ているピンに挿して、作業のために外してあったキックダウン・リンケージを元通りにしたらキャブ回りの作業は完了。
さて、お次はクルコン本体。
黒いタワーからクルコンのケーブルが出てる。
土台の丸い形状と、バキュームホースがつながっていることから察するに、中にはダイヤフラムが入っていて、バキュームの力でクルコン・ケーブルを引っ張ることでスロットルを開ける仕組み。
この辺の仕組みは83キャデと同じだね。
左側の2本のケーブルは、下がミッションから来てるスピードメーターケーブルで、上がスピードメーターに行ってるスピードメータケーブル。
ケースの形からして、上下のケーブルはギヤで互いに噛合っている。
つまり、MONACOのスピードメータケーブルは、ミッションからスピードメーターへ直接つながっているのではなく、
ミッション⇒クルコン本体⇒スピードメーター
の順で接続されてる。
って事は、クルコン本体で車速を検出しているっぽい。
いったい中はどういう仕組みなんだろう???
今のクルマは電気パルスで車速を計るが、この時代にそんな仕組みが有るわけないし。
バラしてみたい衝動に駆られるが、ガマン、ガマン。
続いてクルコン本体の配線チェック。配線はたったの3本。
回路図で配線の動作を読むと
青線:クルコンスイッチON/OFFに連動で、ONで+12V
黄線:クルコンスイッチON/OFFに連動で、ONで+12V、且つSET押しで0V
黒線:クルコンスイッチRESUMEで+12V
になっているので、一旦コネクタを抜いて、その通りに電圧が掛かるかどうかテスターでチェック。
結果はOK。良かったぁ、断線してなくて。
だけど、クルコン本体の端子の形状がヘンテコな形だなぁ。
通常の平端子じゃなくて、飛び出たリベットの頭みたいな形状。
コネクタは横からスライドさせるようにして差し込む。長年アメ車に乗っているが、初めて見る形の端子だわ。
ヘンテコな端子で接触不良が起きないように、クルコン本体の端子とコネクタ端子をパーツクリーナーで掃除したあと、CRCの接点復活スプレーを吹いてコネクタを装着。
とりあえずエンジンを掛けずに、キーだけONしてクルコンのスイッチをON/OFF。
でもウンともスンとも言わない・・・。
これで動いてるのかな~なんて思いながら何回かON/OFFやSETを繰り返していたら、スイッチの動きに合わせて「カチカチ」ってリレーみたいな音が出るようになった。
なんか、クルコン本体が長い眠りから目覚めたみたいだ。
でもRESUMEのスイッチだけは、何回動かしても「カチカチ」音は出ない。
音が出ないのが正常って事もあるから、まあいいか。
続いてバキュームホースのチェック。硬くはなっているが、ひび割れは無いのでエア漏れはしないだろう。とりあえずOK。
よ~し、あとは実際に走って、動作テストだ。
と言う事で、クルコンのテストのために高速道路に乗った。
スピードが 50mph になった所で、クルコンのスイッチをONして、SETボタンをポチッ。
そして、そーっとアクセルから足を離してみたら・・・50mph を維持してる。
すごいじゃん、30年以上も前のクルコンが機能してるよ!
ブレーキ踏むとチャント解除もされるし。
やったね!
あ、RESUMEのテストを忘れてしまった・・・。まぁ、そのうち試してみよう。
今日のところは、クルコンで定速走行できるって事が確認できただけで満足。
2011.11.20