キャブのオーバーホールの後編です。
オーバーホール・キットに入っているガスケットの確認。
右側の四角と楕円のガスケットはAir HornとMain Bodyの間に入るもの。
左側の眼がねみたいなガスケットはMain BodyとThrottle Bodyの間に入るもの。
3枚あるが使うのは1枚。
オーバーホール・キットにはフロート弁のシートとニードルも入っているので交換。
フロート弁を交換したらフロート位置を調整。
上下をひっくり返して、フロートが最も高くなる位置を調整する。
フロートの上辺(写真だと底辺)が水平になるのが規定の位置。
フロート位置はフロート室の油面の高さを決めているので、これをいい加減に
調整すると、油面の高さが高すぎたり(混合気が濃くなったり)
低すぎたり(混合気が薄くなったり)してしまうので、ココはきちっと調整する。
青い丸いパーツはゴム製の加速ポンプのカップ。これも交換。
フロート室のベンチレーションバルブ。
黒い丸いパッキンもオーバーホール・キットに入っていたので交換。
ちなみにベンチレーションバルブが繋がる先はキャニスター。
キャニスターはフロート室やガソリンタンク内で気化したガソリンをインマニに吸わせるための装置。
気化したガソリンを大気放出させないのは排ガス規制の一部で、現代のクルマと同じだが、
たぶん74年がキャニスター装着の最初の年だと思う。
フューエルラインのフィッティングのガスケットも交換。
Air Hornの部品交換はこれで全部。
Air Hornにガスケットを載せてMain Bodyへの組み付け準備完了。
Air HornとMain Bodyを合体。
Air Hornからは色々な物が出ているので、Main Bodyにぶつけない様に注意しながら
はめ込んだら、組み付けネジを締めていく。
Air Hornの組み付けネジの締め付けトルクは・・・オーバーホールキットの説明書には書いてない。
サービスマニュアルにも書いてない。う~ん、仕方ないが勘で行こう。
今回はガスケットをしっかりと密着させるためにかなり強く締め込んで、
Air Horn取り付け完了。
Main BodyとThrottle Bodyとの間に入れるガスケットを3枚の中から選ぶ。
一見同じ様に見えるが微妙に小穴の有無が違っていて、オイラのキャブに合うのは
3枚のうちの1枚だけ。残りの2枚は捨て。
ガスケットが決まったらThrottle BodyをMain Bodyに組み付け。
Throttle Bodyの組み付けネジもガスケットもしっかりと密着させるために強く締め込む。
これでキャブのオーバーホールは完了。
これが今回交換した全パーツ。
ガスケットはみんなパサパサしていて、いかにも気密性が悪そう。
キャブは終わったがフューエル・ラインのフレアナットの交換があるんだった。
でもね、フューエル・ラインの先端はフレア加工されているから、フレアナットはパイプから抜けないんだな、これが。
どうしよう・・・。
フレアナットがパイプから抜けないならフューエル・ライン丸ごと交換だ。
交換用のフューエル・ラインはロール買いしてあった5/16インチの二重鋼管切り出し、
パイプベンダーで曲げて、フレアナット・ツールでダブルフレア加工した。
短いくせに曲げポイントが多くて、形状を完全にはコピーできない・・・。
インマニにキャブを組み付けたら、お手製のフューエル・ラインを取付け。
フューエル・ラインがまっすぐキャブに入る様に、フューエル・ラインを微調整して取付け完了。
おっ、なんかキャブ綺麗じゃん。
この状態でエンジン始動。10数秒間セルを回すとガソリンが回ってきて難なくエンジン始動。
アイドル・ミクスチャーのスクリューを回してアイドリングを落ち着かせたら調整完了。
最後にエアクリーナーを取り付けて・・・綺麗になったキャブも真新しいフューエル・ラインも見えない。
しょうがないか。
で、キャブの調子を確認するために近所を一回り。
あらら、なんか調子いいよ。前よりもアイドリングが安定している。
アクセルを離したときの回転落ちも速い。って事は、やはり二次エアを吸っていたのかな。
オーバーホールして良かった。
本日の教訓「キャブレターは気密性が命。ネジは強く締め上げろ」
作業時間は4時間。
2014.02.02