Blues Mobile Project FILE#151_ボジョレー?

今年もボジョレーヌーボーの季節がやって来た。

ボジョレーヌーボーで思い出した。そういえば最近ATFを交換していないなって。

え~と、前に交換したのは・・・「FILE#098 年末の大掃除」だったかな。なんだ4年も前じゃないか。

と言うことで、今日はATFを交換する事に決定。

アメ車のATF交換は下抜き+フィルター交換が基本なので、車体をウマに載せてミッションの下の潜ってみると、そこにはATFでしっとりしたオイルパンが。


いったいAFTはどこから滲み出しているのだろう?

よ~く観察すると、キックダウンバンドのアジャスタの周囲だけ汚れが付着していない。もしかしたらココが漏れ元?

でもアジャスタは元々オイルシールが付いていない部品だから、ココから漏れるって事はATFの量が多いのかなぁ?


オイルパンを外して、ATFをとりあえず滲んだATFをパーツクリーナーで洗い流して、ATF交換作業を進めよう。

オイルパンを外してATFを排出。ドレンボルトは無いからね。

黄色の四角い部品はAFTのフィルター。日本車によくある金属スクリーンじゃなく、紙?のような素材だから使い捨て。


外したオイルパンとフィルタ。オイルパンの丸い部品は鉄粉吸着用のマグネット。

オイルパンを擦てオイルパンの元色を出してみると、色の違いからスラッジが載っているのが良く分かる。


鉄粉吸着用のマグネットは、いい仕事してるねぇー。真っ黒い鉄粉がべっとりと付いてるよ。

最初にATF交換した「FILE#064 無謀?ATF交換」の時の鉄粉量に比べればかわいいものだけど、前回のATF交換からの走行距離が5000Kmって事を考えると量が多いな。

ただ「FILE#064 無謀?ATF交換」の時の鉄粉に比べると、今回の鉄粉は粒子が細かくトロッとしている。洗浄力の高い新油が5000Kmの走行でAT内部を十分に循環する事で、前回までのATF交換時点では洗いきれなかった細かな鉄粉が流れ出てきた物のような気がする。


さあ、ここからは組み付け。

古いガスケットをスクレーパーでオイルパンからを剥がしてパーツクリーナーで洗浄。

マグネットもね。


先ずはオイルパンのフランジに液体ガスケットを塗布。


新品のコルクのガスケットを載せたら、その上に更に液体ガスケットを塗布。

液体ガスケットはRTVで、20分位で初期硬化が始まるのでこの状態でしばらく放置。


オイルパンを放置している間にフィルターを交換しよう。

RockAutoで手配したWIX製のトランスミッション・フィルタキット。フィルタとオイルパン・ガスケットがセットになったもの。

思い立った時にオイル交換できるように、オイラの部品箱にはガスケットやフィルタ類が常にある。


バルブボディに新しいフィルタを装着。

フィルタの留めネジは3本。このネジなんとトルクスネジ(T-20)。

今でこそ一般的になったトルクスネジだけど、1974年時点では相当珍しいかったはず。

何でこんな所に使ったのだろう???

それにしてもサッパリしたATだこと。昨今の多段電子制御ATと違ってロックアップ無しの3速メカニカルATなので電磁ソレノイドや電気配線が無いからかな。まぁそのぶん壊れる部品も無いって事だ。


フィルタを付け終わったのでオイルパンをミッション・ケースに装着。

一応、オイルパン・ボルトの締付けにはトルクレンチを使ってみたりして。

肝心の締付けトルクはサービス・マニュアルによると「150 ポンド・インチ」。

「ポンド・インチ」って・・・なんて単位だよ。オイラのトルクレンチにはN・mとkg・mしか無いんだけど。仕方ないから換算。換算式は、N・m=0.113 x ポンド・インチ。

って事で、150 ポンド・インチ=16.9 N・mで締付け完了。

この状態で更に液体ガスケットが硬化するのを待つ。

近所のSTRAIGHTに廃油Boxを買いに行ったり、足クルマを洗車したりで2時間ほど放置。


本当なら液体ガスケットが完全硬化するまで24時間待ってから新油を入れたいところだが、さすがにそこまでは待てない。新油を注入しちぇえー。

で、新油はボジョレーヌーボー。じゃなくていつものKendoll CLASSIC ATF。旧車にやさしい鉱物油だ。


やっぱり新油はきれいだなぁ。


新油をレベルゲージのチューブから流し込む。最初に3L入れたらエンジンスタート。

P,R,N,D,2,1の各レンジにシフトレバーを何回か入れて、ATFをバルブボディーに行き渡らせる。

水温が上がってきたら最終的な油量の調整。

Nレンジに入れてエンジンは掛けっぱなしの状態でレベルゲージの油面を読むのが基本。

今回は少な目にしたいからレベルゲージのLowラインに合わせた。充填量は3.5L。


下回りからATFが漏れていない事を確認して作業完了。

近所をひと回りしてATが変な動きをしないか走行チェック。

心なしかシフトショックが減った気がしないこともないが、大きな変化は無し。OK。


作業時間は待ち時間を含めて約5時間。


本日の教訓「飲むならワイン。乗るならAFT。」


2014.11.23


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