カシメの所からオイルが滲んできたぞ、パワステホースよ。(写真じゃ、わかりにくいが)
と言ったところで、パワステホースが頑張る訳もない。
今付いているパワステのプレッシャー・ホースは、交換履歴が分からないから、思い切って交換してしまおう。 プレッシャー・ホースがパンクするとオイルが噴出して自走困難になるから、パンクする前に交換。「転ばぬ先の杖」だな。
しか~し、パワステ・ポンプ裏側のプレッシャー・ホースのフレアナットが固くて緩まない。
クルマの下に潜っても、クロスメンバーが邪魔で思うようように作業できない。
チクショー、頭にきた。こうなったらパワステ・ポンプごと交換してやる~。
膳は急げ、パワステ・ポンプの取り外しに掛かろう。
パワステ・ポンプのブラケットは何回かバラしているので、作業は慣れたもの。サクサクいきます。
プレッシャー・ホースのギヤボックス側のフレアナットは簡単に緩むのになぁ・・・。
右が外したパワステ・ポンプ。左は交換用。
交換用のパワステ・ポンプはAC Delcoのリビルト品。RockAutoで調達。
円高だし、元々アメ車のパワステ・ポンプ自体はそれほど値段が高くないんよ。
AC Delcoに付いてきた説明書には「ケースの形状が違うこともあるが、取付けられる」って書いてあったが、確かにケースの形状が違う。でもボルト穴の位置は同じなので使えそう。
この年代のクライスラー車には
「.94 Model」通称:Saginaw Pump
「1.05 Model」通称:Federal Pump
の2種類のパワステ・ポンプがあるので、部品をオーダーする時は要注意。
MONACOは前者のSaginaw Pump。
当然、リビルト品はポンプ本体だけなので、今のパワステ・ポンプから再利用するパーツを移植する必要がある。
移植の最初はプーリー。
センター・ナットを緩めるのだが、ナットを回すとプーリーも回ってしまうので、電動インパクト・レンチ君で一気に緩める。
手回しのメガネやソケットでセンター・ナットを緩めるのは難しいと思うな。
センター・ナットが外れてもプーリーはシャフトにキツくハマっているので、素直に抜けない。
そこで今度はプーラー君の登場。汎用のパワステ・ポンプ・プーリー用のプーラーもあるのだが、プーリーがシャフトの奥の方まで入っているので、それが使えない。
しょうがないのでタイロッド用のプーラーを使った。
プーリーにはプーラー用の「つば」があるので、そこにプーラーのツメを引っ掛けて引き抜く。
次は裏側。
ブラケットを取り付けているナットとスタット・ボルトを再利用するので外す。
ちなみに、コイツが緩まなかったフレアナット。
パワステ・ポンプを外した状態で、フレアナット・レンチで目いっぱい力を込めても緩まない。
意地になって、クロウフット・レンチ+長尺スピンナーハンドルを使って、ようやく緩んだ。
移植部品をバラし終わったので、交換用の新品プレッシャー・ホースを準備。
上が交換用のもので、下が外したもの。
なんか、パイプの曲げ形状が違う。取り付くのかな・・・?
で、パワステ・ポンプに戻って移植部品の取付け。
プーリーの取付けはパワステ・ポンプのシャフトのキーとプーリーの切り欠きを合わせる。
プーリーはサビサビだったので、ワイヤーカップでサビを落としてシャシーブラックを吹いた。
移植部品を取付け終わってポンプ側は準備完了。
裏のブラケットは「FILE# 25 ファンベルト矯正」で交換せずに残っていた新品パーツがあったのを思い出し、それに交換した。
リターン・ホースも、もちろん新品に交換。
リターン・ホースは金属パイプの付いていない単なるホース。内径は3/8インチ。
箱買いしたら25フィート(7.6m)のホースが来たのだが、今回用に切り出したのは40cmほど。
残りは何に使おうかね。
準備が完了したポンプを車体に取付け。
でもって、心配していたプレッシャー・ホースの形状違いだが、無事に取付けできた。
ホースの取り回は変わったが、今までのホースより曲げストレスが少なそう。
あとはパワステ・オイルを注入。
使ったのは「燃える男の」のKendallのClassic ATF。
えっ、ATFをパワステに使っていいのか?って。
いいんです。ATもパワステも油圧動作するものなので、同じオイルでいいんです。
最後にエンジンを掛けた状態で「漏れ」が無いことをチェックして作業完了。
作業時間は2時間。
あ~、これでスッキリした気分で、新年が迎えられる。
2009.12.29