トランクのプルダウンが動かなくなる症状は、キャデラックに共通のトラブル。
オイラのブロアムも例外にもれず、たまにプルダウンが引き込まなくなる現象が発生。
トランクのラッチは喰いつくのだが、そこからモーターが引き込んでいかない。
そんな時は何回かトランクを開閉すると不意にモーターが動くので騙しだまし使っていたのだが、いつ完全に不動になってしまうか不安なので、オーバーホール決行。
オーバーホールと言っても、通常回るはずのモーターがウンともスンとも言わないのはモーターに電気が流れていないと言う事。その原因のほとんどがモーターに流す電流を制御するスイッチの接点焼け。
てな訳で、内容的にはスイッチ交換+各部バラして点検。
これが車体から外したトランク プルダウン ユニット。
黒いのがスイッチで、右側の銀色の部分がモーター。
左が新しいスイッチ。
右が今まで付いていたスイッチ。
ここからは点検。
スイッチを外し、プルダウンのシャフトを止めている金属カバーを外す。
プルダウンのシャフトを引き抜いたところ。
外したプルダウンシャフト。
水色のクリームはグリス。
外したパーツからグリスを落とす。
白いプラスチックから出ている螺旋状の棒がモーターのシャフト。透明パーツのギアとモーターシャフトとでウォームギアになっていて、透明のギアが回転することでプルダウンシャフトが上下する。
透明ギアの減り具合は問題なし。(透明ギアが磨り減ってモーターシャフトが空回りするようになってしまうと、モーターが止まらない症状が発生する。83キャデで経験)
透明ギアの上の銀色の輪は透明ギアの縦方向の加重を支えるベアリング。今回は念のためベアリングは交換。
モーターもバラし。
ブラシの残量はまだまだOK。
アマチャーも問題なし。
各可動パーツにシリコングリスを塗布して、もとの通りに組み立て。
モーターを組み付けるときは、シャフトを手で回しながら回転が渋くならないようにネジを締めていく。
オーバーホール後はモーターの回転がスムースになったせいか、以前よりもプルダウンするときのモーター音が小さくなた。快調。
動かなくなる原因の究明の為に今まで付いていたスイッチを分解。
左側の黒いケースの一番右の上側の接点が異常に黒い。
黒い接点を受けているのが、一番左の上の銅板。
明らかに焼けている。この焼けが接触不良を起こしモーターが回らなくなる。
スイッチが入るときにアークが飛んで接点焼けを引き起こすわけだが、GM車はモーターを回す電流をリレーを介さずに直接スイッチに流すため、余計に接点焼けが起き易い。
2006.10.09